北国新聞に掲載された内容です。

北国新聞に掲載された内容です。

この仕事を初めて五十年近くになるけど、心から満足できる作品はなかなかできませんね。こうしていればもっと上手く出来たと思うところが必ず出てくるものなのです。職人というのは皆そうなのかもしれません。が、それでも仕事の苦労が一番の楽しみなのです。

彫るときに大事なのは作品の全体像を完璧につかむことです。
弟子時代は、獅子頭を彫るにしても、眼なら眼だけ真剣に掘ってしまって失敗ばかりでした。今はもう四角い桐の木を見るだけで作品のイメージが浮かんでくるのです。後はいらない部分を削っていくだけです。

自分が彫った作品を渡した時のお客様のうれしそうな顔を見るときがうれしい。
だから注文があればまだまだ何でも挑戦するつもりです。いつまでも現役でありつづけたいのです。

玉泉寺の模型を制作しました

金沢市にある、玉泉寺は県内唯一の時宗寺院です。
高岡市の瑞瀧寺を作った名工・山上善右衛門が手がけたのですが、1871年の葛西で喪失し、現在は小堂や墓石のみが残るのみとなっていました。

北川彫刻では、玉泉寺が描かれた「金沢城下図屏風」を参考に模型製作を実施しました。
完成した模型は横50cm、縦37cm、王泉寺の山門や楼門、仏堂、庫裏、回廊を挟んでの御位牌お堂のほか、隣接する天満宮の殊塗りの鳥居、随神門、拝殿、本殿などを成功に復元しました。